選考のブレをなくしたい
採用選考のブレをなくすために大切なポイント
よく人の能力を見抜く力があることを「人を見る目がある」などといいますが、企業の採用選考の場でも有効なのでしょうか?短時間の面接で自社に合った人材を見つけるためには、「評価基準の明確化」や「面接ツールの活用」が大切。人事担当者のカンや経験に頼らない採用選考のコツを紹介します。
なぜ選考の評価のブレが生じるのか
そもそもなぜ選考にブレが生じるのでしょうか?「学歴や経験から優秀な人材だと思って採用したが、すぐに辞めてしまった」「人事担当者は応募者を雰囲気が良いと判断したが、いざ入社するとチームワークが取れない」など、選考で失敗をしてしまったケースは多いでしょう。
選考にブレが生じる原因は、先入観や主観的な考えで良否を決めてしまっているから。学歴や経験、資格は選考上で無視できないポイントですが、「学歴が良いから自社でも優秀さを発揮できるはず」と考えるのは危険です。また、経験豊富な人事担当者が「この応募者は雰囲気が良いから自社に合うはず」と判断しても、その根拠はどこにもありません。
短時間の面接で人を見抜くことはできるのか?
そもそも面接は数分間~1時間という短時間で行われます。短時間で相手の人間性や能力を見極めることは非常に困難であり、先入観や主観によって判断してしまっているに過ぎないのです。
確証バイアスという言葉があります。確証バイアスとは、無意識に自分が肯定する情報ばかりを集めて仮説や信念を検証してしまうこと。たとえば応募者の第一印象や学歴等をみて「この応募者はこうに違いない」と決めつけてしまい、その判断を肯定するような情報ばかりを集めてしまうのです。
また、類似性バイアスも正確な選考の妨げになります。類似性バイアスとは自分に似た人を肯定的に捉え、自分と異なるタイプの人には否定的になってしまうこと。面接官が自分とは違うタイプの応募者の採用に否定的になってしまうのはそのためです。
選考のブレをなくすためには
採用基準を明確にする
人事担当者のカンや経験に頼らず、学歴や経験から先入観で選考しないために、採用基準の明確化が大切。採用基準を設けることで応募者を公正に判断でき、求める人物像の明確化によって選考のズレを防げます。
採用基準の設定は、採用目的に沿った人材要件を明確化することから始めます。求める人材の志向性や能力、知識等に優先順位をつけ、採用したい人物像を明確にします。人材要件が明確になったら評価項目をつくり、選考の評価基準も設けましょう。「こういう人材が欲しいから、この能力が必要。その能力が応募者に備わっているかを評価項目と評価基準で判断する」といった流れです。
採用基準を明確にして共有することで、どの面接官が選考しても自社にマッチした人材を採用できるようになります。
ターゲットを明確にする
採用基準を明確に設定するには、「ターゲット」の策定をすることをおすすめします。ターゲットの設定方法を紹介していきます。
ターゲットの条件を洗い出す
企業として求める人物像を絞り、その人物像に当てはまる人を「ターゲット」と呼びます。そのためには、職種や業務内容をよく吟味して、どのような性格・経験・実績などがあれば自社の希望に沿った仕事をする人になるだろうかと人物像を考えてみましょう。
それによって、学歴や資格、一定の経験、技術やスキルといった条件が絞り込まれてきます。それによって「MUST=必須」「WANT=あると尚良い」「NEGATIVE=不可」の条件を洗い出します。
人事担当者だけでターゲット条件を洗い出すのではなく、募集する職種の責任者などと人物像についてよく議論するとよいでしょう。
ペルソナを設計する
ターゲットでは条件による人物像を想定しましたが、ペルソナの設定は、もっと詳細に具体的なイメージを描きだしていきます。
例えば「35歳、男性、有名私立大学を卒業後、広告代理店で営業職を10年経験し、制作に興味がある」といった具合に、明確なキャラクターを設定します。
さらに、仕事の内容や会社での役職、上司や部下との関わり方など、想像できる限り詳細にペルソナ設計をしていきます。
なぜペルソナ設計が必要かというと、ここまで細かく人物像を作り上げることで、ターゲット層をより狭めて共有しやすくするためです。ブレない選考のために必要なステップと考えてください。
自社の優秀な社員をモデルにする
自社に理想的で優秀な社員が在籍しているのなら、その人をモデルとして「ターゲット」や「ペルソナ設計」を行うこともおすすめです。
具体的なペルソナ設計が難しい場合、実際のモデルがいればわかりやすいので、ぜひ面談などの協力をしてもらい、リサーチを深めていきましょう。
経験やスキルだけでなく、性格もよく把握し、ペルソナ設計に役立ててください。
AI選考を活用すればブレをなくせる?
先入観や主観をもたないAIが選考を行う方法もあります。オンライン採用ツールのなかにはAI選考機能がついているものもあり、一見画期的なシステムのようにも思えます。
確かにAIが人間に代わって公正なジャッジをしてくれるのはメリットといえるかもしれませんが、倫理観のないAIには判断が難しい部分があります。また、AIに正しく判断させるためには学習を重ねる必要があり、現段階ではAI選考を活用するには課題が多いといえるでしょう。
成長を続けている企業が採用する選考とは
世界的な大企業で「世界最高の職場」と称されることもあるGoogle社。今もなお成長を続けているGoogle社では、自社に合った人材を採用するための構造化面接を行っています。
まず自社に合った人材とは何かを考え、自社の「評価の高い社員」や「活躍している社員」の特性を可視化しました。実際に活躍している社員の内面的特性や能力を把握することで、その特性を持った人材を求めれば良いことがわかったのです。
また、構造化面接では広く浅い質問を応募者にするのではなく、自社が重要とするポイントを深堀して質問を行います。構造化面接によって自社にマッチした人材を見つけることができ、成長を続ける企業として成功を収めているのですね。
なお、オンライン採用ツールにはGoogle社の方法を採用した選考アシスト機能が備わっているものもあります。
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